乳房部分切除術


乳房部分切除術は、乳房をできるだけ残しながら、がんの部分とその周りの一部を取り除く手術です。

 

この方法は、乳房を温存することができるため「乳房温存療法」とも呼ばれています。

 

手術後には、乳房に放射線を当てる治療を行います。これは、残っている乳房の中でがんが再発するのを防ぐためです。

 

この手術と放射線治療を組み合わせることで、乳房全体を取り除く手術(乳房全摘)と同じくらい良い結果が得られること(※)が分かっています。

 

(※)N Engl J Med. 2002 Oct 17;347(16):1233-41. 

ローテーションフラップを用いた乳房再建術


当院では、整容性を重視した乳房部分切除術にも力を入れています。

乳房部分切除術は乳房を温存できる一方で、術後に乳房の形が変形する場合があることが知られています。そこで、欧州で開発された「Burow’s triangleを応用したローテーションフラップ」を、三宅智博医師の指導のもと導入しています。

この術式では、傷跡がやや長くなるものの、腕を下ろした際に隠れる位置や乳房の下縁に傷がくるようにデザインします。また、乳頭を中心に皮弁を移動させるため、乳頭の高さが変わりにくいという特徴があります。

ローテーションフラップ法は、3cm以下の乳がんに適応があります。従来の再建方法と比べて、大幅な時間短縮を実現し、患者さんへの負担が少ない点もメリットです。

ご希望の方は担当医にご相談ください。